執筆:2021-10-13
※この記事は妊娠判定に関する表現があります。
体外受精を希望してから3か月の月日を費やし、ようやく凍結融解胚移植をした。
移植後は、早くも妊娠しているかのような浮かれたり不安になったりする気持ちで大事に過ごした。
できるだけ身体をあたため、栄養をとり、できる限り健やかに。
判定日
不妊治療に通い始めて1年以上。
これまでで一番緊張して、動悸がして、震えた。
平然を装って採血したけれど、クリニックは混雑していて診察まで1時間くらい待った。
もう待ちすぎて放心状態まで達したような。考えることがなくなるくらい待った気分。
番号が呼ばれて、すばやく扉を開ける。
はーい、Mellowさん!
妊娠してますね!
あ、よかったですぅ~
あんなに考え事をしてたのに、結果にどうリアクションするべきか考えていなくて。
第一声は、まるで他人事みたいだった。
Hcg-β:45.4
今日は40以上あれば問題ないですからね。
次回は胎嚢確認。
よかったらご夫婦でどうぞ。
変な冷静さで診察室を出て、追加のホルモン補充薬を貰いに処置室へ向かった。
そこで一気に動揺が押し寄せて、薬を袋に詰める手が震え出した。
妊娠してるの?私が…?
外の休憩スペースで待機していた夫の元へ。マスク越しでもわかる緊張顔をしている。
さらり。休憩室のテーブルにHcg値の検査結果を置いた。
あ゛っ、マジーーーーーー!?!?
結構大きい声が出た。彼も喜びがひとしおである。
検査結果と私の顔を交互に見つめて、驚いたり笑ったりコロコロと繰り返し、もう一度冷静になるとこう言った。
着床ができるんだって、証明できただけでも収穫大きいね。
これは、夫が真剣に勉強しながら向き合ってくれたからの発言であって、「おめでとう」よりもずっと嬉しく思った一言だった。
治療をスタートしてから、初めての「成果」が出た。
上手くいかない日々が続いていた中で、一歩ずつ本当に一歩ずつ前に進んでいるのかなと思える出来事だった。
ただ、ここでもっと喜び舞い上がれなかったのは、すでにこの世界に足を踏み入れてしまったから。
調べて、勉強して、調べすぎていろんなことを知りすぎている。ここまでのこと、これからのこと。
残酷だけど、経験した人しかわからない感情がある。
最初で最後の二本線
初めて買った1本の妊娠検査薬。
長すぎる妊活で一度も日の目を見ず、使用期限が切れていた。
夫の希望で、記念に使ってみることになった。
結果は、判定ラインより濃い逆転現象。
血液検査の結果のほうが正確なのはわかっているけれど、それでも味わってみたかった。
反面、これがスタンダードな夫婦の妊娠判定か、と切なくなったけど。
私の人生初の二本線はこれが最初で最後だと思う。
体外受精まで達した私たちにはもう、市販の検査薬は必要ないと改めて感じたから。
そして、残念ながら私たちの長い旅はこの後もまだ続いていくことになる。
そのことについては、また次の記事で。
・血液検査
・ホルモン補充
約¥31,000
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